看護学校へ行こう
初めての病院実習
技術テストを終えてまもなく、とうとう病院実習を迎えることになった。基礎実習と言われるもので、二日間と短い。私たちは、
「いよいよ本物の患者さんと接するんだ。」
と期待に胸をふくらませた。一つの病棟には6人ずつ配属される。私が最初に行くことになったのは、5階内科病棟、通称5内。あの茶道部の先生が婦長をしている病棟である。
実習に行くにあたり、事前にすべきことは山ほどある。まず教務の先生からいろいろ病院での振る舞いなどを聞かされる。実習は自分から積極的に行うものであり、黙って突っ立っていたら勉強にならないし、看護婦さんは仕事優先だから、手取り足取り教えてくれない。自分から、
「一緒にさせてもらえませんか?」
と声をかけ、積極的にナースにアピールしなければならず、でないと何もせずぼーっとしているだけで終わってしまうことを、重々聞かされた。さらにレポートをたくさん書かなければいけない。実習前に「はじめに」と言って、今回の実習で、自分は何を学びたいのかをレポートにして提出する。気の抜けたレポートは、差し戻しをくらう。「はじめに」を書くのは、それこそ初めてなので、このレポートを書くだけで、何日も費やした。書いて教務に提出しては、
「この書き方は違います。」
と差し戻しをされ、病棟の看護主任に到達するまでには至らなかった。
「いよいよ本物の患者さんと接するんだ。」
と期待に胸をふくらませた。一つの病棟には6人ずつ配属される。私が最初に行くことになったのは、5階内科病棟、通称5内。あの茶道部の先生が婦長をしている病棟である。
実習に行くにあたり、事前にすべきことは山ほどある。まず教務の先生からいろいろ病院での振る舞いなどを聞かされる。実習は自分から積極的に行うものであり、黙って突っ立っていたら勉強にならないし、看護婦さんは仕事優先だから、手取り足取り教えてくれない。自分から、
「一緒にさせてもらえませんか?」
と声をかけ、積極的にナースにアピールしなければならず、でないと何もせずぼーっとしているだけで終わってしまうことを、重々聞かされた。さらにレポートをたくさん書かなければいけない。実習前に「はじめに」と言って、今回の実習で、自分は何を学びたいのかをレポートにして提出する。気の抜けたレポートは、差し戻しをくらう。「はじめに」を書くのは、それこそ初めてなので、このレポートを書くだけで、何日も費やした。書いて教務に提出しては、
「この書き方は違います。」
と差し戻しをされ、病棟の看護主任に到達するまでには至らなかった。