看護学校へ行こう
さっそく次の日から寮長に言い渡されたことを実施する。まずは朝の掃除。最初は二年生が教えてくれた。優しい先輩もいれば、理由もなく怒り口調の先輩もいた。掃除が済むと、各自の部屋で、自分で用意した朝食をとる。これは事前に買っておいたオーブントースターで、食パンを焼いて、食べた。それから学校へ行く準備をする。学校と言っても寮とつながっているから、教室まで1~2分で着くのだが、このときちゃんと上履きに履き替える。おでこも前髪をあげていたのを元に戻して良い。それから名札ははずす。
午前中の授業が終わると寮に戻り、昼食をとる。このとき再びおでこをだして、名札をつけていないと、先輩からただちに怒られる。授業は7時間だが、一年生はまだ病院実習はずっと先になるので、実習している先輩たちより寮に戻るのは早い。実習すると、5時ぴったりになど終わらないのだ。そこで、一年生が、朝掃除当番がためておいた水を湧かす。風呂場は7人しか入れないので、みんな先輩と顔を合わさないために、そそくさと風呂に入る。それでも一年生はこの年寮生が多く、クラス30人中27人が寮生だったので、順番に入っているうちに、先輩たちが次々帰ってきて入浴し始める。そうなると、例の挨拶を裸で言わなければいけない。そんなだから、入寮二日目にして、早くも泣きながら親に電話している子もいたし、銭湯へ行き出す子もいた。しかし先輩から「銭湯禁止令」が発令される。あくまで寮生活に馴染めというのだ。また、廊下で先輩とすれ違う際、こちらが挨拶しても、うんともすんとも言わないまるっきり無視の先輩もいた。
こうして、看護学校と寮での新生活がスタートした。