看護学校へ行こう
 幹事の人が挨拶する。最初私たちはかたまって座っていたが、くじ引きで席を決められた。私は男の人に挟まれた。き、緊張する。私は彼氏とつきあったこともなければ、高校でも男子とほとんど口を効いたことはない。唯一いとこのおにいさんと話していて、その人が初恋の相手だ。たぶん、肩に相当力が入っていたのだろう。ひたすら酒を飲んでいた。すると向こうから話しかけてきた。

「いくつ?」

「19歳です。」

と私。

「あ、未成年が酒飲んでるう~。」

と場を盛り上げようとする男。寒い空気になってしまう。だがせっかくの合コンだ。私も何か話さねば。私の持っている話題など、看護学校の話しかない。そこで実習裏話でもしようかと話し始めた。

「あのね、今産婦人科に実習に行ってるの。」

「へえ、じゃあ赤ちゃんが産まれるところ、見るんだ。」

「そう、産まれるときは妊婦さんは本当に相当苦しむよ。」

「赤ちゃんて、どうやって出てくんの?」

「ベッドに妊婦さんが寝て、上半身を半分起こした姿勢で足を開いて、あそこが開いて赤ちゃんの頭が見えたらあそこをはさみで切るんだよね。」

この言葉に男性陣は引いた。

「切るってどこを?」

「だからあそこ。陰部の下の方。切らないと裂けちゃって、傷がぐちゃぐちゃになるんだよね。」


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