蜜事中の愛してるなんて信じない
「それで、終わったのかよ」

 正志は、わざとらしくため息をついて携帯を閉じた。

「まだよっ!」

「お前、志望校どこ?」

 またっ!
 お前って言うんじゃないわよ!

 私は、正志に向かって前のめりになった体を向き直して、机正面の窓の外を指差した。

「ふーん。鈴広ね。
勉強する必要ねえじゃん」

 それは、暗に、私がバカとでも言いたいわけ?

 冗談じゃないわよ。

「じゃあアンタは何?
そこまで言うんなら東大生とか?」

 まさかね。
 こんな非常識なヤツが東大に入れてたまるもんですか!

「そうだけど」

 しれっとそう告げると、机の上で振動する携帯掴み上げた。

 ふざけんじゃないわよ。電源を消しなさい、電源をっ!
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