蜜事中の愛してるなんて信じない
 次はですね、この作戦のキモなんです。

 本当は、五十音といきたいところなんだけれど、生来ズボラな私は、あ行、さ行、た行、ら行に絞ることにした。

 あ行から、ら行にかけて、紙に記入していく。
 ポイントは徐々に小さく。

 ごはん糊は、すでに固まっていたけれど、念の為、結合部は空けて、次は、「たちつてと」。

 本当は、こんなふうに言わせるなんて嫌だけれど。
 背に腹はかえられないのだ。

 ふっふっふ。見てなさいよ、正志!!

 いちばん最後の「ろ」を書き終え、左手にその紙を、右手に鉛筆を持って、椅子から立ち上がった。
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