テクノケイション
「守って」


彼女が方向性を切り出した。


腕の中の彼女は酷くか弱く、危うい。


薄布一枚を身に纏い震えている。


今にも透けてしまいそうな服と身体、点滅する光がたおやかな曲線を陰影で強調する。


喉仏の上下を感じた。


彼女の手を取り駆け出した。


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