明日死ぬ
「イテえ…」

体中が痛んで一瞬状況が完全に頭から飛んじまった。

が、相手はそうじゃなかったらしく、転がる勢いをそのまま生かしてオレから離れて立ち上がった。

ヤバい!逃げられる!

と思った瞬間後頭部に首がもげるかと思えるほどの衝撃が走った。

彼女にハンドバッグのカドで思いっきりぶん殴られたのだとワンテンポ遅れて理解した。

それだけでは彼女の怒りは収まらなかったらしく、力任せに股関を蹴り上げてきやがった。

ハンドバッグ攻撃で既に視界に星がチラついていたオレは、避ける事も出来ずにモロに食らってしまい悶絶して地獄の苦しみを味わった。

それで気が済んだのか、股関を押さえてのたうち回るオレを見下して呟いた。

「思い知ったか」

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