明日死ぬ
「それでは先ほどのご質問にお答えしましょう。

まず私はあなたの持っているボキャブラリーの中では『悪魔』が一番近い存在です。
まあ、魂を取ったりはしませんが。

次に私は別にあなたを助けた訳ではありません。

最後に私の事は…そうですね、『コウ』とお呼び下さい。

質問は以上でしたね」

事故車が炎上しだしてさらに大騒ぎになっていく交差点に背を向けてコウは滑らかに話す。

もう完全に事故には興味はないみたい。

コウに正対してる私にはコウの後ろの大惨事が目に入っていたけど、今の話の内容を理解した途端に意識から外れた。

「悪魔?えぇ?はぁ?

…あ!助けた訳じゃないって言いました?」
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