明日死ぬ
今晩をしのぐ為に何が必要なのか全然思い付かないまま家に着いた。

チッ電気がついてやがる。親父の奴まだ起きてんのかよ。とっとと寝ればいいのによ。

俺は無言で玄関を開け家へ入る。「ただいま」などここ数年言った事もない。

親父も俺が帰ったのが分かっているだろうがこんな遅い時間であっても何も言わない。

俺と親父は数年前に国交を絶って以来まともに会話する事はなくなっていた。

必要最小限の連絡だけを置き手紙でやり取りするだけの間柄だ。

ちなみに母親はいない。

とにかく今は時間がない。親父がナンか絡んできてもガン無視で通す。

いつも通りに。
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