明日死ぬ
俺はコイツが俺のケータイを受け取って遠くに運んでくれるのを期待したけどそうじゃなかった。

「いや俺は協力できん」

「なんでだよ」

相手のたんたんとした口調に俺の声は荒くなるのをこらえられない。

「多分だけどお前に接触するのを期待して、俺には警察の監視がついてると思う。
いわゆる『張られてる』ってヤツだ。

だから俺が行ったら警察まで案内する事になりかねん」

コイツ今まで内心バカにしてたけど意外な程気が回る奴だったんだな。

「だったらどうすりゃいいんだよ」

「簡単だ。デカイ国道に出て信号待ちしてる遠くまで行きそうなトラックの荷台に、電源を入れたままのケータイを滑り込ませればいいんだ」

「なるほど」

「それで多分お前はヒッチハイクでもしたと思われるんじゃないかな」

「あったまイイなお前。お前の事ホント見直したぜ」

「そうでもないだろ」

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