明日死ぬ
「なんだよ、せっかくほめてやったのに」

「だからさ、本来ならたかだかボヤ程度の事なんだから自首を薦めるべきなんだろうな、と思うワケよ」

言われて納得した。

確かに事情を知らなければその通りだろう。

だがしかし俺の場合は事情が違う。

指定の時間までに指定の場所に行かなければ何が起こるか分からないのだ。
警察に拘束されている時間はない。

しかしそれを話たらこいつも道連れにしてしまうから言う訳にはいかない。

さっきの奴なんかは死ねばいいと思ったが、こいつは思ってた以上にイイ奴だったみたいだ。

「気にすんなよ。こんなのはただのゲームだっての。逃げるのに飽きたら適当に出てくって」

「そうか。ならいいけどな」

そういうことにしといてくれ。

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