明日死ぬ
人間死ぬ気になれば何だってできると言うが、正に今の俺はこれからやろうとしている事にためらいは全くなかった。

低いガードレールを乗り越えてセンターラインもなく幅の狭い車道に歩み出る。

両側からやって来た車が急停車し、それぞれからパッシングされるがかまやしない。

俺の奇行に辺りはざわめきだし少しずつ注目が集まりだした。

もっと注目がほしい俺はフト思い付いて急停車した車のウチの一台のフロントに飛び乗って大声で叫んだ。

「がああああぁぁぁ!」

俺に注目しろ。

俺の声を聞け。

そして死ね。


< 144 / 203 >

この作品をシェア

pagetop