明日死ぬ
「おいおいアンタ、あれを見てもまだそんな口きけんのかよ」

男の背後を見ながら指差してみせるとソイツは慌てて振り返る。

もちろんそこには何もない。だが一瞬気を逸らせられればいいのだ。

俺は男の顎をおもいっきり横からつま先で蹴り飛ばしてやった。

そしたら気持ちいいぐらいキレイに入って男は路上にぶっ倒れた。

車から飛び降りさらに追撃。サッカーでシュートを決めるように足を振りかぶって、倒れた男の腹に蹴りを叩き込む。

ゲロを吐き路上に転がる男を見下ろしながら、誰か女が上げる悲鳴を心地よく聞いた。

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