明日死ぬ
「で?俺はどこに何で連れてかれるんだ?」

「ああ、ついて来い。あっちの地下駐車場に車が停めてある。お前をむき身で動かしたらヨソのグループに横取りされちまうからな」

リーダー格が先に立って歩き出し、俺がそれに続くと他の二名が脇を固めるように用心深くついてくる。

どうにも逃げられそうもないがまだここではその気もない。

リーダー格に案内されるまま歩道の一角にある階段室に入り階段を降りて行く。

他からの人目は格段に減った。あとはもっとこいつらの油断がほしくてリーダー格に話かける。

「アンタ車持ってて運転できるなんてスゲーじゃん」

「俺のの訳ねーだろ。オヤジのだ。それにオートマ車の運転なんて自転車より簡単だぜ?」

話しながら周囲に視線を巡らせているとトイレを発見。

ここしかない!

「あ、トイレに寄らせてくれよ。ボコられて漏らしたらカッコ悪いし」

「意外に冷静だな?」

「そうでもない。これから起こる事にドキドキが止まらないぜ」
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