明日死ぬ
「ちょっと待ってろ」

一応、という感じで俺とその他二名をトイレの入口に待たせてリーダー格が中を確認しに一人で入って行く。

当然何もないし誰もいなかったようで半笑いで出て来た。

「さっさと済ませろよ」

俺とすれ違いリーダー格がトイレから出ていくその時、俺は足を出してリーダー格の足を引っ掛けてやった。

「おっと……」

今だ!

転びそうになり上半身が泳ぐリーダー格の前髪を右手で掴み、同時にもう二人のうち近かった方の前髪も左手で掴んだ。

そのまま全身のバネと全体重をかけ二人の後頭部をタイル張りの壁に叩きつけた。

それぞれから「がっ」とか「ぐぅっ」とか声が洩れ血が飛び散る。

彼らはのけ反るような体勢になっていて足が踏ん張れないらしく抵抗してこない。いや出来ない。

それに乗じて何度も何度も繰り返し叩きつけてやった。

両手ともから骨が砕ける感触を感じ、壁はすぐに血まみれになった。

「なにしてやがんだこいつコラァ!」

驚き過ぎて放心していた三人目がようやく我に返って、俺を後ろから両手で掴んで引きずり倒した。

俺は両手に掴んでいた奴らを手離して地面に転がった。
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