明日死ぬ
「こいつっ、このっこのっオラァッ!」

三人目は地面に転がった俺を狂ったように蹴りつけてくる。

バカめ。こんな事してる場合じゃないだろう。早く救急車呼んでやらないとアイツら死んじゃうぜ?

頭の芯が冷えたようになぜか冷静な俺はそんな事を考えるがヤツは蹴り続けるのをやめない。

「オラッオラァッオ?……うわっ」

仕方がないから蹴りつけてくる足をタイミングをはかって両手で抱え込み、その体勢のまま寝返りを打つように横に転がった。

すると相手も巻き込まれるように地面に倒れる。

しばらく二人でからまるように揉み合うが、最終的に相手の腹に跨がってマウントをとったのは俺だった。

先ほどの二人の惨状を思い出したのか三人目の表情に怯えが走ったのがわかってつい唇がつり上がる。

俺は腕を振り上げると相手が腕でガードするのも構わず力任せに顔を狙ってブン殴る。

何度も何度も何度も。

気が付いたら三人目も動かなくなっていた。

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