明日死ぬ
階段を上がって地下駐車場から出るといつの間にかもう夜だった。

警察からもゾクどもからも追われる身の上としては暗がりは隠れやすくてありがたい。

もううろつく時間もそんな気もなくなった俺は体育館に行く事にした。

明かりの届かない所を選んで歩いていたら、誰からも見とがめられる事もなく目的地に着いた。

敷地内に入る鉄の門は閉鎖され鎖が巻かれてさらに南京錠までかかっていたが、メンドクセーなと思ってよく見たら南京錠はかかっておらず、ただ引っ掛けてあるだけだ。

無造作に南京錠を外して捨て、鎖をほどいてヒト一人通れる分だけ開いて中に入った。

体育館そのものの扉に手を掛けたら施錠されてなくて重い音をたてあっさり開く。

暗い館内に入ると静まりかえった中に俺の足音だけが響き渡った。

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