明日死ぬ
脳ミソが飽和してしまったのか二人ともぼんやりしたまま無反応だ。

無理もない。清水の舞台から飛び降りたつもりが何でもないただの段差だったと知ったらこんな物だろう。

大体本物の清水の舞台から飛び降りたって死亡率はそんなに高くないって事を人間達は知っておくべきなのだ。

我慢強くしばらく待つと先に立ち直ったのはやはりサナエさんで、おずおずと小さく手を上げて質問してきた。

「あの、私たち死なないならこれからどうしたらいいんですか?」

「適当に家にでも帰ってクソして寝てください。そして私の事など忘れて明日からも普段通りに過ごしてください。

それとあなた方に課したルールは全て嘘ですからこの事を誰かに話ても構いませんし、聞いた相手にも何も起こりません。

まあ信じるかどうかは相手の常識しだいでしょう」

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