明日死ぬ
呆然と立ち尽くすケイゴ君の背後に回り込み背中合わせに立ち話かける。

「ケイゴ君。君はずいぶんと大胆な事をいろいろとやらかしましたね。暴行未遂。放火。傷害。そして殺人」

殺人と言った途端にケイゴ君は勢いよく振り返った。

私も振り向きその顔を見ると痛みでもこらえるように歪んでいる。

「ええ死にましたよ。あの地下駐車場の壁に頭を打ち付けた二人はね。あともう一人とトウテツの彼は重態です」

彼は何か言いたそうに口を開きかけるが、結局何も言わず目を反らしてうつむいてしまった。

「自分のやった事をどう思いますか?どうせ死ぬなら何やってもいいなんて自分勝手が過ぎると思いませんか」

もうサナエさんの目はないので容赦なく彼を追い詰める。

この男はワルぶってはいるがしょせんは小物なのだ。

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