明日死ぬ
「それは……だって……大体あんたらがこんな嘘をつくから悪いんじゃねーか。あんな事言われなきゃ俺だってこんな事しないで済んだんだ!」

ハッと分かりやすく鼻で笑ってやる。

「それは責任転嫁というものです。繰り返しますが死ぬからと言って何をしてもよいとはなりませんよ。

むしろあなたは『発つ鳥後を濁さず』という言葉を知らないのですか?

それに死んでしまったあの二人が善人とは言いませんが、殺されるほどの罪があったとは思えませんね。それについてはどう思われます?」

「それこそあんたらが時間までに来ないとヒデー目に合うって言うから必死で……」

見苦しい言い訳が続きそうだったので腕を振って黙らせた。

「まあ済んだ事はいいでしょう」
< 194 / 203 >

この作品をシェア

pagetop