明日死ぬ
「突然失礼します。
あなたは今日死ぬ予定になってます」


本当に突然何の前置きもなく見知らぬ男の人の声が聞こえたけど、それがまさか私に話かけてるとは思わなかった。

「すいません、あなたの事ですよ『中村サナエ』さん」

え?私に言ってるの?

声の方へ顔を向けると1人の男性がすぐそばに立って私を見ていた。

中肉中背で紺色のスーツを着ているサラリーマン風の若い男の人で、視線を外したら3秒で忘れてしまいそうなほど特徴のない顔立ちをしている。


…それは何でもない朝。

大学へ自転車で通学中に信号待ちをしていた時の事だった。

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