明日死ぬ
サナエが家に帰ると母親が帰りの遅いサナエを心配するあまり捜索願いを出しそうになっていた。

気まずげにサナエが「ただいま」を言うと母親は心配から戸惑いそして安堵、最終的には怒りへと表情を変化させ玄関先にサナエを正座させ説教を始めた。

サナエは心配されている事愛されている事、生きている実感を感じその喜びを表情に出てしまい、それを母親に見とがめられて説教はさらに長引いた。

ようやく解放されて自室へ戻ると置いて行ったケータイに着信履歴が自宅とアイから計九件。

ケータイを置いて行ったとは知らない母親がサナエに電話しても出ないのでアイに心当たりを聞いたのだ。

アイに対する説明責任を思い出しサナエが怯んでいると当のケータイが着信音を響かせた。

ヤマトのケータイからの着信である。

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