明日死ぬ
コウが姿を消したからとりあえず家に帰ると、ちょうど晩ご飯ができたところだった。

「ああ、おかえりサナエ。ご飯できたからすぐ着替えてらっしゃい」

大して空腹は感じなかったけどお母さんに言われるまま着替えて食卓につく。

お父さんはまだ仕事から帰ってきてない。

「いただきます」

モソモソと食べ始めるとお腹が空腹を思い出したみたいに急にお腹が空いてきた。

体も心もこんなに生きる気マンマンなのにと思うと涙腺が緩みそうになる。

「ちょっとサナエどうかした?
学校で何かあったの?」

あからさまに様子がおかしい私に気付いてお母さんが聞いてきたけど…

言える訳ない。

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