明日死ぬ
「ウフフ、さすがアイ。
産まれる『前』からの付き合いの大親友はひと味違うね。

でもその話はちょっと置いといて…」

私が両手で物を脇にどかす仕草をすると、すかさずアイはそれを戻す仕草をする。

「置いとかない!
今日のサナエを見てると胸騒ぎがしてしょうがない。何があったか洗いざらい白状しなさい!」

最後は小声で

「それともこんなトコじゃ出来ない話?」

人情の人であるアイが本気で心配してくれているのがハッキリわかる。

ああ、ありがたいなぁ。

でもそんな相手にだからこそ言う訳にはいかない。

笑いながら目の前でパタパタ手を振って否定する。

「何かあったのは確かだけどそんなに心配しなくてもいいよ。

それに明日になれば解るから今は勘弁して?」

両手を合わせておどけて拝んでみせたらその手を両手で掴まれた。

身を乗り出して小声で聞いてきた。

「自殺とかしないよね」

「自殺なんてしないよ」

自殺は、ね。

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