明日死ぬ
しばらくお互いの目の奥を覗き合っていたけど結局アイは勘弁してくれた。

手を離して乗り出していた体をイスの背もたれにドサッと預けて言う。

「まあ納得した訳じゃないしまだ何か隠してるみたいだけどいいわ。

サナエが断固として言う気がないのはわかったし、自殺する気がないのもウソじゃないみたいだしね」

「ありがと」

私は本当にいい娘を親友に持てたなあ。

これも神様に感謝しなきゃいけない事のまたひとつだわ。

そんな事をボンヤリ考えていたら、あさっての方を見ながらアイが話を促してきた。

「で?この話を置いといてする本題って何?」

今度は私が身を乗り出す番だった。

「実は今日中にね…」


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