明日死ぬ
遊歩道を橋に向かって走っていると、公園のすぐ外の道をパトカーがサイレンを鳴らして通り過ぎて行った。

「そう言えばサイレンで思い出したけど、昨日の夜は消防車のサイレンが聞こえた」

「ああ、サナエんチでも聞こえた?あれ放火らしいよ。
ただ今高校生の男の子が逃走中」

「ふーん怖いね」

「まったくバカな事をする子もいるもんだね」

とか何とか言ってるうちに目的地の橋の上に到着。

チラホラと人がいるけど思った程じゃないみたい。

出来れば二人きりが理想だったけど、まあ無理だろうと思ってた。

これから告白するんだと思ったらちょっとドキドキしてきた。

でも…

私が何時に死ぬのかは知らないけど『今日』は残り10時間を切っている。

ためらっている時間は残されてはいないのだ。
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