明日死ぬ
目は口ほどに物を言うとは昔の人はよく言ったものだ。

私達は無言のままお互いの目の中に相手の想いを確認し合った。

そんな二人は端から見たら見つめ合う恋人同士に見えるかも知れない。

先に目を逸らしたのはヤマト君だった。

池の方へ視線を泳がせながら確認するように聞いてきた。

「それで話って?」

解ってるクセに!

でもこれは言葉にして伝えたいし、そうでなきゃイケナイ事だ。

姿勢を正して目を逸らしているヤマト君の横顔をまっすぐに見る。

「あなたの事がずっと前から好きでした」

ずっと前から隠していた想いは意外なほど簡単に、そして言葉以上に雄弁に気持ちを込めて伝えられた。
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