明日死ぬ
不器用で全くもってイマドキではない二人はまた黙り込んだ。

私は余韻に浸る為。

ヤマト君は多分何を言ったらいいのかわからなくて。

ソッポを向いたままなのも赤面しているのを私に見られたくないからだろうけどバレバレだよ。

何しろ横顔の耳まで真っ赤だから。

どれぐらいそうしていたのか急にヤマト君は私に向き直った。

真剣な顔つきで少しアゴを引いて、いかにも大事な事を言いますよって顔をしている。

その目の中には先ほど確認し合った想いがはっきりと見てとれた。

嬉しくて涙が出そう。



でも…、でも…

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