明日死ぬ
「もぅっ、いいから早く撮ってよ!」

色んな事をゴマかすために有無を言わせずヤマト君の左腕を両手で胸に抱え込んだ。

案の定彼は全身硬直して彫像と化した。

かく言う私だって顔が熱くてしょうがない。間違いなく真っ赤なハズ。

そんな私達を見て笑いをこらえる事もなく、アイはケータイを覗いていいアングルを探している。

「はーい、そこの茹でダコみたいなお二人さん撮るよー。はいニッコリ笑ってー…」

ピロリロリン!

「はいオッケー。うまく撮れたよ」

「ありがとっ」

撮れた途端にまるで熱いものだったみたいに慌てて手を離した。

「そんなに照れなくてもいいのにー」

ああ、顔が熱い!
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