明日死ぬ
走り出すと不思議な事に私の心は凪いでいった。

まるで本当にちょっとそこまでって感じだわ。

でも実際は向かっているのはコンビニじゃなく取り壊しが決まっている旧体育館で、そこでは悪魔もどきが待っている。

死ぬってどんな事だろう。

わかんないや。

死ぬまでの準備期間に一日をくれた自称悪魔に感謝を感じながら軽快にペダルを漕ぐ。

予想通りの時間をかけて旧体育館に到着した。

時間まではまだタップリ余裕がある。

いつもは閉鎖してあるはずの門も入口の扉も人が通れるぐらい開いていた。

門の内側で自転車にスタンドをかけて、臆する事なく体育館の中に足を踏み入れた。
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