いつまでも【短編】(修正版)



その夜、私は部屋に閉じ籠った。

泣き顔を見られたくないのと泣いてる理由を直人に聞かれたくなかったから。




『ただいまぁ。』




直人の声が部屋越しに聞こえてきた。




『あ、直人サン。
お帰りなさい。
お邪魔してまぁす。』


『やぁ、梨理ちゃん。
こんばんわ。
あれ?美緒はどうしたんだい?』


『さっきまで私と借りてきたDVD見てたんですけど、感動したらしくて泣きまくって部屋に閉じ籠っちゃいました。
直人サンに泣き顔見られたくないって。』


『はは、美緒らしいな。
じゃあ後で慰めてやらなくちゃな。』


『うわ、なんかその言い方スケベだ。』


『もう俺もおじさんだからな。
あはは。』




妹と直人の笑い声が聞こえてくる。

妹が今日あったことを適当に誤魔化したみたいだ。


多分、梨理は今日の出来事がなんなのか察しているのだろう。


昔から感のいい子だったから。


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