愛に溺れろ。
「とにかく、お前は俺と付き合え」
「…っ。嫌…です。先輩と別れてから、まだ1日しか経ってないし……」
「ハッ。お前は何か勘違いしてないか?」
「かん…違い……?」
「付き合えと言ったのはお願いじゃない。命令だ」
「な、何言って……!」
「これ以上何も言うな。お前は素直に『はい』と答えれば良い」
卑怯だと言われても構わない。
傷ついたお前に、
俺を深く刻み込んでやる。
俺は椅子から立ち上がり、呆然と突っ立ている里香の後頭部に手をまわし、自身へと近づけた。