愛に溺れろ。

ん……?


だけどいくら経っても
敦志からのキスはない。


恐る恐る目を開けると、そこには笑いを堪えている敦志の笑顔があった。


う、ウソ!?


「ヒドイ!」


あたしは思いっきり
敦志の体を突き飛ばした。


一瞬よろけたその隙に、敦志の体からスルリと抜ける。


最悪、最悪、最悪っ―!
絶対にありえない!

は、恥ずかしいすぎるよ…
一人期待してバッカみたい……



「里香、」



「もう!今は声かけてこなっ…―」


え…?

急に後頭部に手を回され、
そのまま引き寄せられる。


そしてあたしの言い分は、
敦志の唇によって遮られた。



「ふっ…んん……」



敦志の舌が、
唇を割って入ってくる。



は、激し…っ…
体の力が…抜ける……


ガクッと腰から力が抜け倒れた瞬間、敦志は「おっ」と言いながらあたしを支えた。



荒い息遣いがあたしから漏れ、
敦志は満足そうに笑う。


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