愛に溺れろ。

「安心しろ。夜は長い」


唇の端を上げ、
フッと微笑む。


そんな敦志に、さっきまでの怒りは全て吹っ飛んでいった。



「……ずるい」


「ハハッ、今さらか?」


そう言って、
あたしの髪を軽く撫でる。

くすぐったくて、
気持ち良い。


ふいにあたしを見つめる、
優しい瞳と視線がぶつかった。



「早く入るぞ」


「……うん」



そんな視線に見つめられ囁かれれば、抵抗する術は…残っていない。


ぎゅっと握られた手。

胸のドキドキが
止まらない。



あたし……もう無理だ…



なんて思いながら、
バスルームへと向かった。

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