愛に溺れろ。

「えぇー!うっそぉ!?」



な、何……?

教室に着いた瞬間に
聞こえた叫び声。


聞こえた方向に
目を向けると……




「さゆり…」



さゆりを囲む、
クラスの女の子達だった。




「里香……」



麻美も、心配そうなに
あたしの顔を覗く。




さゆりは敦志が好き。
あれからさゆりとどうなったのか、何かあったのか、そんなことは聞いてない。



敦志を信じてるから。
もう聞かないことにした。





だけど、こんな光景みたら…―





麻美とお互いに目を合わせ、
ゆっくりと自分の席へ向かう。




ちょうど自分の席はさゆり達の会話が聞こえる位置にある。





麻美と話すふりをして、
お互い耳を澄ました。

< 112 / 129 >

この作品をシェア

pagetop