愛に溺れろ。
「…着替えたよ」
窓際で煙草を吸っている敦志に、
そっとそう呼びかける。
「ああ」
振り向いた敦志は煙草を灰皿へ押し付けると、あたしの方へ歩み寄る。
「無理させたな」
ふわっと香る煙草の匂いと、
優しい手の温もり。
頬に添えられた手に、
自分の手を重ねる。
「ううん。……嬉しかった」
「……へ~?」
一瞬の間の後、
笑みを浮かべた敦志。
「…え?」
「そんなに俺とSEXがしたかったのか」
「そ、そういう意味じゃ…!」
て言うか『SEX』とか
リアルに言わないでっ…。
「あんなに感じてたくせに?」
「な、なななっ…-!」
敦志の言葉に
真っ赤になる頬。
そんなあたしの反応を見て楽しんでいる敦志。
「もう!からかわないでよ!」
そう叫ぶと、
楽しそうに笑う敦志。
そんな敦志を見て、
あたしも一緒に笑った―