愛に溺れろ。

「ふ~っ」


部屋に入ると同時に鞄を放り投げベッドへと倒れこむ。




未だにドキドキする胸に
頬が赤く染まる。


あたし、さっきまで……





敦志はまだ用事があるからと学校に残り、あたしはあの後すぐに帰宅した。





たった数時間。


だけど何日も何年にも感じられる凄く長い時間だった。




「これからまた、学校で敦志に会える…」




嫌で嫌で仕方なかった学校が
今では凄く待ち遠しい。


会ったばかりなのに
すぐに会いたくなって…
声を聞きたくなって……
抱きしめて欲しくなる。




何て欲張りなんだろう。


だけど、敦志にもそう思って欲しくて。





そっと閉じた瞼に、
敦志の笑顔が浮かんだ-


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