愛に溺れろ。

「さっそくだが、今日は文化祭について話し合おうと思う」


2学期が始まって数週間。
早くも文化祭の時期が来た。



「文化祭か~。今年は何するんだろうね」


「そうだね」



この学校は文化祭に一番気合を入れていて、新学期早々準備や宣伝を行う。



「去年は焼きそばだったよね?何か普通って感じで」


「そうそう!最初ってやっぱ分かんないし」


「今年はもうちょっと派手なのが良いよね」



麻美すごい楽しそう…。
去年なんて『出会いのチャンス!』なんて浮かれてたもんね。



「小林。何か意見あるか?」


「え?あたし?」


「お前しかいないだろう。何か楽しそうに話してたじゃないか」



「うーん……」



麻美が顎に手を当てて悩んでいると、
急にさゆりが手を挙げて立ち上がった。



「はい、先生!」


「お、何か良い意見でもあるのか?早河」


「あたし、メイド喫茶がやりたい♪」



………え?
さゆり、今、何て?


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