愛に溺れろ。
「え……?」
「お前が、他の男に愛想振りまくんだって考えたら腹が立って…」
そんな風に…考えてくれてたの?
って言うか、それってもしかして…
「ヤキモチ…」
「!」
ボソッとそう呟くと
バッと体を離させられた。
敦志の顔を見ると、
うっすらと赤く染まっていて…
「え?敦志、ヤキモチ焼いて…たの?」
そう言うと敦志はバツの悪そうな顔をして「悪いか?」と息を出しながら呟いた。
「俺だってただの男だ。嫉妬だって…普通にする」
「でも、だって…敦志は大人で…」
そんなこと思わないって。
ましてや態度に出すなんて…
「年齢なんて関係ねぇだろ。好きな女のことなんだから」
『好きな女』
そんな言葉が嬉しくて、
ぎゅって敦志に抱きついた。
「何だか…嬉しい」
そう言って更にぎゅっと抱きしめる。
そんなあたしの頭を優しく撫でる大きな手に、大きな幸せを感じた。
ゆっくりと敦志の胸から顔を離し、そっと上を見上げると、あたしを見つめる優しい瞳と出会う。
目が合った瞬間近付く瞳に、
あたしはそっと瞼を閉じた。