愛に溺れろ。
「先生……」
「んあ?」
「多すぎ……ませんか?」
そう言い俺を睨む里香。
いや、恐くないし。むしろ…-
「それでも少ない方だ。早くやれ。夜になるぞ?」
俺の言葉に里香は怒りを露にしたが、そのまま何も言わずに作業を再開した。
里香に任した掃除内容。
それはビーカーを洗うこと。
もちろん、里香が多いと言ったのは……当たり前。
化学教室のすべてのビーカーを
洗わせているのだから。
新しい物も、すでに使えなくなった物も、すべて出してある。
悪いな、里香。
少しでも長く、
お前と一緒にいたいんだ…-