愛に溺れろ。


「おい」


「何?」


「……冷てーな」



「別に!」



やけにトゲのある言い方すんな。
そんなに洗うのがせんないのかよ。


しゃーねぇ……。




「えっ……。何、してるの?」



「何って、ビーカー洗ってんだろ」




「……洗えって言ったのは先生なのに」




「あ?何か言ったか?」



「べ、別に……」




……本当は聞こえたけど。
あえて無視してやるよ。








それにしても……
まつげ長げぇな…コイツ。

頬もうっすらピンク色で、
間近で見ると…さらに可愛い。






「何ですか?」



「い、いや。何も……」




…っ…何てことだ。
つい見とれてしまっていた。

十も下のガキに。





本当どうしようもねーな。
これだけは……。



里香を好きな、
この気持ちだけは…-


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