愛に溺れろ。


……まだ浅瀬で、だけどな。





それでも良い。

時間をかけて、ゆっくりと。
逃げ出せない、沖の方まで…。



お前を、溺れさせてやる。






「あ、先生。ここです」



「あ?」




里香に少しずつ案内され
いつの間にか着いた家。




正直、もう少し一緒に居たかった。





「ありがとう、先生」



そう言って降りようとする里香の腕を、ぎゅっと掴む。




「え?」




「里香、忘れてないだろうな?」



「……何を…ですか?」





「お前は俺の、女だと言うとこだ」




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