愛に溺れろ。
「ちょっと!ポイ捨て……禁止なんだけど」
「あぁ?」
パッと振り返った瞬間、
時が止まった気がした。
「だから煙草!拾ってよ」
さらさらのストレートな髪。
小柄で色白くて、それでもって……可愛い。
大きく綺麗な瞳は、
俺の目を捕らえて離さない。
……こいつだと思った。
俺はこいつを好きになる。
理由なんてない。
ただ単純にそう直感した。
「ねぇ、聞いてるの?」
「あ、ああ……」
そう言って俺は、さっき踏みつけた煙草を拾った。