愛に溺れろ。
「えっ…!」
横目に里香を見ると、
頬がうっすらと染まりだす。
「なんだ。分かってるじゃないか」
「わ、分かってなんか…-!」
「呼べ」
「え……?」
戸惑う姿が可愛くて、
ついつい苛めてしまう。
「早くしろ。分かってるんだろう?」
「……あ、」
「あ?」
「…あ、あつ……」
……もどかしいな。
「3秒以内に言わなかったら、キスだ」
俯いていた里香が
顔を上げて俺を見る。
「さーん」
「えっ!ま、待って…っ」
「にーい……、いーち」
「ぜー…「あっ、敦志!」
「ろ」
ギリギリセーフ。
とでも言うような表情に、真っ赤な頬。
可愛いけど……
俺の性格、知ってるよな?
「残念、里香」
「え?」
「タイムオーバーだ」