愛に溺れろ。


「良いこと聞いちゃった♪」



ニカッと白い歯を見せ、笑う敦志。


そんな顔するなんて、いつもの先生の時の敦志からは考えられない。




こんな表情……あたしにだけ見せてくれるのかな?って思ったら何だか嬉しくて、心の奥がぎゅう…とした。




だけど……。

そんなあたしの心のトキメキに反して、敦志はジェットコースターまでの道のりを進む。




って!
このままじゃ駄目だっ!




「ねぇ敦志!本当にやめてっ」



半泣き状態で悲願するも、
敦志は聞く耳を持たない。




「ほんっとに!な、何でもするからっ…-!」


ジェットコースターだけは…っ!





その言葉にピタッと敦志の足が止まり、あたしの方へ振り返った。




「何でも?」


「へ?」



「本当に、何でもなのか?」



「え……?」




咄嗟に出てしまった言葉なのに、
敦志は真剣そのものだった。


今さら、嘘なんて言えないし、
それで乗らなくて済むなら…-!


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