愛に溺れろ。


「う゛~……。気持ち悪い」


「お前があんなに回すからだろうが!」




コーヒーカップに乗ったものの、何か気恥ずかしくて、あたしは思いっきりハンドルを回した。



その結果コレ。
2人してダウン。


ホント何やってんだろ、あたし。



「里香、少し休むぞ」


「あ、うん。そだね」



あたし達は、近くにあった
カフェで休むことにした。



それにしても……。

どの食べ物もやっぱ
キャラクター物なんだなぁ…。



何て思いながらあたしは紅茶を、敦志はコーヒーを頼んだ。




「さっきコーヒーで回ったのにね」



何て嫌味っぽく笑ったら、
ゴツンって頭に拳が激突。


「いったーい!」何て言いながら、お互い笑いあって席に着く。




席に着いたものの、会話はない。




何か……気まずい。
でも、何話せば……。


チラッと敦志を横で盗み
見るとバッチリ目が合った。


ドキッ―!




何て、顔……してるのよ。

敦志の目は優しくて、まるで目に映っているものが愛しいとでも言うような……。



そして、その目に映っていたのが
自分だと考えると……。


胸の高鳴りが止まらない。
敦志の瞳に、行動に、温もりに。


あたしの全ては奪われ、
そして惹かれて行く…―


あたしはもう、引き返せない。

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