愛に溺れろ。


「あー…、疲れたな」



「そうだね」



一通り回った時には、すでに遊園地はライトアップされ、色とりどりの輝きを放っていた。



「そろそろ、帰らねーとな」



「……そうだね」




明らかに、落ち込むあたし。

そんなあたしに気付いた敦志は、
ぎゅう…と掴む手を強くした。



「まだ、終わりじゃないぞ」


「え?」



「遊園地と言えば、観覧車だろう」




あ……。

そう言えば、
乗ってなかったなぁ。



「アレで最後だ。行くぞ」


「あ、うんっ」


敦志に手を引かれるがまま、
あたしは後ろをついて行く。



楽しかった時間は、あっという間で。



まだまだ敦志を一緒にいたいと思ったあたしは、我が儘なのかな?





夜の観覧車はやっぱり人気。

カップル、家族、友達。
いろんな人がすでに並んでいた。



「結構、並ぶな」


「……うん」



心の中じゃ、喜んでるあたし。
もっと敦志といられる、って。



いつのまに、あたしは
こんなに溺れちゃったのかな?



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