愛に溺れろ。
・里香side
「麻美~、ここどう言う意味?」
「えーっと……どうだっけ?」
そう言って自分の勉強してるページとは逆ページを捲る。
あ、そっか……。
麻美も麻美でやるとこがあるんだよね。
なのに、迷惑かけれないよ。
「ごめん麻美。大丈夫」
「え?」
「後で先生に聞くから。麻美は自分の勉強して?」
「……ごめんね?」
「ううん、ありがとう」
麻美はニコッと笑うと、
自分の机へと顔を戻した。
だけど……どうしてたった2時間なのにサボッた時がこんなに難しいとこなのよ!?
どう考えても……分かんない。
ハァ~と回りに聞こえないよう息を出し、チラッと教壇に目を向ける。
バッチリ絡み合った視線。
ニヤッと笑った敦志が憎たらしい。
わざとだ……
そう気付いたのは、
テスト1週間前のことだった。