愛に溺れろ。
「分かった……」
小さく返事して、
教科書を片付ける。
「里香、今日は送っていけないが……大丈夫か?」
「え、うん。まだ明るいし大丈夫」
「そうか」
敦志はうっすら微笑み、
煙草へと火をつけた。
煙を吐き出し外を眺める敦志に、目を奪われる。
格好良い……
思わず頬を染め、
敦志を見つめた。
こんな格好良い人が、
本当にあたしの彼氏なのかな?
そんなことを思っていると、視線に気付いた敦志があたしに振り返り、妖艶に微笑んだ。
「何だ。見惚れてたのか?」
図星なあたしは、さらに頬を染め何も言えずに俯く。
「冗談だったんだが……」
ゆっくりとあたしに近付いて来た敦志が、灰皿へと煙草を押し付ける。
その時ふと机の上に
目に入った物…-
「りか「これ……」
「あ?」
言葉が重なったのも気にせず、
あたしは言葉を続ける。