愛に溺れろ。


「携帯灰皿?」



「ん?あぁ、街で吸う時とかにな」





へぇ、そっか……
思わず、自然と笑みが零れる。



「もうポイ捨てはしてないんだね」


「え?」




視線の先で、敦志が大きく
目を見開いたのが分かった。



「里香、お前今なんて……?」



「え?もうポイ捨てしてないんだねって……」



再びそう言った瞬間、
敦志はぎゅっとあたしを抱きしめた。




「あ、敦志!?」



「…………。」



何も言わない敦志に
少なからず不安になる。




あたし、変なこと言った?



< 55 / 129 >

この作品をシェア

pagetop